押し入れの中からひとつの家族を見守り続ける女のファンタジー。
人類誕生の瞬間から人間を見守り続けてきた、押し入れ女。彼女に食事を届ける役割を父から受け継いだ男。
「彼女には決して話しかけてはならない」というルールを破って、ある日男は彼女に話しかけてしまう。
日常を誰かに聞いてもらうことの幸せ、そして日常の積み重ねが人間の歴史であるというミニマルなテーマを壮大なSF的奇想で描いたファンタジー。